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印刷を確認する「色校正(色校)」とは?インクジェットプループ、デジコンについても解説

2020年5月23日

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印刷を確認する「色校正(色校)」とは?インクジェットプループ、デジコンについても解説

2020年5月23日

写真集や雑誌など、印刷物をつくる前には、本番を印刷する前にレイアウトや色味を確認する「色校正(色校)」を行います。今回は、色校の中でも簡易校正に使われるプルーフ(インクジェットプルーフ)について書きます。

簡単な経歴について

僕はもともとデザイナー志望で編集部に入り、紙媒体や写真の仕事に長く携わってきました。
本業はフォトグラファーですが、ディレクターとして編集業務を行うことも時々あります。

雑誌の編集部出身ということで、一般的なプロフォトグラファーとは少し出発点が異なることもあり、自分で制作した写真集や雑誌などは、毎回ほぼ色校まで確認し、指示出しをしています。

色校正は本来、デザイナーや編集の仕事なので、「写真撮影」だけしかやっていないとあまりこうした知識を学ぶことはできないのですが、せっかくですので色校について少し説明しようかと思います。

ちょっとまじめにいきます(キリッ)。
専門用語が多めですが「こんな世界もあるんだ~」ぐらいに見ていってください。

色校の中の「簡易校正」って?

色校は大まかに、「簡易色校」「本紙校正」「本機校正」という種類があります。
普段、目にすることが多い色校は「簡易色校」です。
要するに、色チェックですね。

色校正(色校)には3種類があります。それぞれの違いについては、下記リンク先の記事でまとめています。

「簡易校正」は、2020年頃の現在ではインクジェットプルーフが主流になっています。

以前はデジコン、またはデジタルコンセンサスとも呼ばれていました。「デジコン」と「インクジェットプルーフ」は、用紙や印刷方法が異なります。
それぞれのよさがあったのですが、デジコン用の用紙はすでに生産終了していますので、これから印刷知識を学ぶ人は、基本的に「インクジェットプルーフ」(インクジェット方式の簡易校正)だけ覚えとけば大丈夫です。

業界では略して「プルーフ」または普通に「色校」といいます。
「校正紙」とも呼びますが「簡易色校」ということはあんまりないですね。印刷屋さんとしても「簡易」だとあまりイメージがよくないからではないでしょうか。

僕はその前のコンセ時代(フィルム製版の簡易校正機)から出版業界に携わっていますが、その頃から比べるとデジタル技術の進歩はすさまじく、いまの色校は素晴しくきれいな出力で、下手すると実際の印刷よりきれいに出てしまうことがあります。色校では完璧だったのに、印刷の仕上がりはあれ?ってこともあるので、注意が必要です(笑)。

広告代理店時代のエピソード

東京に出てきたばかりの頃は、広告代理店に勤務して外車の広告をつくっていました。
外車ということもあり、それなりに予算があったため、色校3回なんて当たり前、銀刷り箔押しニス+マットニス塗りなど現場では贅沢なことをやっていて、それでも「黒の締まりが悪いので直して」など、うるさくいちゃもんをつけていました。
印刷屋さんって本当に大変です…。

印刷の色は「答えのない永遠の命題」です。
恋愛と同じですね。(違うか)

実際に、色校ではOKだったのに「雨の日でインクが沈んでしまった」という経験をしたこともあります。個人的には商業印刷である以上、100点満点はそうないんじゃないか、と考えています。
じつは10人いれば、人が見る色というのはそれぞれ異なります。
加齢によっても変わってくると言われていますし。
最近では「写真のプリントと同じで、多少のずれも味があっていいのでは?」という見方をするようになりました。印刷もまた、フィルムと同じ有機物なので。
とは言え、もちろんこだわるべきところは徹底的にこだわることが重要です。

写真集制作の際のこだわり

写真集をつくるときも、印刷前に色校で確認します。
このときに、直したいところがあれば、「マゼンタを抜く」「Y(イエロー)をマイナス30で」など、細かく指示を入れていきます。

色校の前にも、いろいろと作戦を立てます。
紙選びにも秘策があるので、僕は実際の制作に入る前になるべく、印刷屋さんと綿密に打ち合わせを行います。
一度編集・制作がはじまると、いろいろな作業工程が押し寄せてきて、ノンストップでゴールを目指すことになるので、テストは入念にすることが大切です。

印刷知識はフォトグラファーにとって大切

今回は「色校」についてのちょっとした知識をまとめてみました。
最近はデジタル主体ですので、なかなかこうした知識や技術に触れる機会が少なくなってきたのは、すごく残念です。
写真を撮る上でも、印刷に関連する知識を身につけておいた方がプラスに働きます。
ぜひ、参考にしてください。

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Atsushi Yamada

Atsushi Yamada

写真家。ときどきディレクターもやってます。 ワーホリ渡豪、20代で出版社立ち上げてフリーに。 英会話は日常会話レベル。都内の自社スタジオに棲息。 ブログでは写真や文章、クリエイティブ全般について語ってます。

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