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社員カメラマン(社カメ)ってどんな仕事?どうすればなれるの?【プロが解説】

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社員カメラマン(社カメ)ってどんな仕事?どうすればなれるの?【プロが解説】

みなさんは、社員カメラマン(社カメ)という言葉を聞いたことがありますか?文字通り、会社に所属するカメラマンという意味なのですが、いったい、どんな仕事なのでしょうか。
今回はこの「社カメ」という職種の詳細について、詳しく説明していきます。
(ちなみに今回、文脈によって「カメラマン」「フォトグラファー」といった表記を行なっていますが、特に大きな違いはないです。気にせずに読んでください)

社員カメラマン(社カメ)ってなに?


社員カメラマン(社カメ)はその名の通り、「会社員として働くカメラマン」のことを表します。もともとは「正社員」として働くカメラマンのことを指していましたが、最近では「契約社員」や「アルバイト」という雇用形態も増えています。

「社カメ」として働くメリット

社カメにはいろんなメリットがあります。ひとつずつ見ていきましょう。

広告・雑誌など、撮影関連業界の仕組みを知ることができる

専門のクライアントや営業担当、デザイナーが求める意図を理解できるので、フリーランスになったときの動き方や提案力が身に付きます。ここにコピー(文字)が載るんだとかいう、いわゆる「編集目線」「デザイナー目線」ってやつですね。これって、結構大きなメリットです。

いろんなカメラマン(フォトグラファー)の撮影スタイルを見ることができる

フリーランスは孤独なのでほかの人の撮影を見ることは(意識して勉強しない限り)あまりありませんが、社内に在籍する先輩や、出入りする外部フォトグラファーの撮影を見る機会が得られます。人によってやり方が違うので、目からウロコというときも。

保険・年金などの制度が充実している

所属する会社にもよりますが、社会保険や厚生年金などの制度が充実しています。こうした制度について、フリーランスはすべて自分でまかなう必要がありますが、社カメは会社員なのですべて会社任せで大丈夫です。
また、雇用保険があれば万が一の際には失業保険が支払われるため、安心です。

給与が保証されている

どんなに撮影が少なくても、ちゃんと毎月給料がもらえます。たぶん一番大きなメリットですね。
あと、当然ですが有給休暇も取得できます。

確定申告がないので楽…

フリーランスは毎年、確定申告をして税金を払わないダメです。(国民の義務って大変…)
収入にもよりますが、規模が大きくなると税理士などへの支払いも発生します。社カメの場合、こうした業務はほぼすべて会社がやってくれます。

コネクションができる!

運がよければコネクション(フリーになったとき、直接仕事をもらえるチャンス)をつくることができます。会社員時代に担当していたクライアントから、直接仕事の依頼がくることや、退社後に所属していた会社から撮影を振ってもらえることもあります。
ただし、在籍中にしっかりとした仕事をしてクライアント&社内のスタッフから信頼を得て、円満退社することが重要です。
コネづくりって社カメの大きなメリットですが、経験上、まわりの信頼を得るには最低でも2~3年は働いた方がいいでしょうね。
それと、社カメになったからといって必ずしもコネクションが得られるわけではありませんので、期待しすぎも禁物です。

「社カメ」として働くデメリット

当然ながら、メリットだけではありません。
「社カメ」として働くデメリットを挙げていきましょう。

意外と地味&マンネリな作業が多い

社カメはアシスタントからのスタートで地味な作業が多いため、途中で挫折して辞める人が多いことがまずデメリットとして挙げられます。
一般的に、ファッション撮影などの華やかなイメージを持って入社する人が多いですが、広告代理店や制作会社が担当する撮影にはいろいろなジャンルがあります。配属先によっては、毎日おせんべいやキッチン用品だけを撮影することもあるかもしれません。
そうした日常を楽しめないようでしたら、社カメという道はあまり向いていないでしょう。

人間関係に疲れる

どこの会社でも同じなんですが、大してスキルやセンスがない人が上司になるということは十分あり得ます。
また、昔に比べるとだいぶ減りましたが、カメラ業界はもともと「徒弟制度」なため、アシスタント時代にパワハラを受けるのは当然、という風潮は残念ながらまだまだ存在しています。
入ってみないとわかりませんが、「この会社合わないな…」と思ってしまったら、転職を考える必要があるかもしれません。

他社の撮影方法がわからない

社カメとして、社内のやり方を学ぶことはできますが、「他社ではこうする」という進め方を知らないために、幅広い撮影に対応できなくなる可能性があります。

長く在職することで横柄な態度になってしまう

これも社カメに限りませんが、長く在職してポジションが上になってしまうことで、まわりのスタッフがイエスマンばっかりになってしまう可能性があります。
「師匠の言うことは絶対」という徒弟制度の弊害ですね。
特に厳しいアシスタント時代を切り抜けてきた人は、若手にも辛く当たってしまうことも。結局、会社に守ってもらってるだけなんですが、いざフリーランスになったときにこうした態度が抜けきれず、マイナスになってしまうことが多くあります…。

無駄な作業&残業ですり減ることも

社員として拘束される以上、「これって意味あるのかな…」という作業をさせられることも多いです。また、残業についても以前より少なくなったものの、雇用規定などあるようでないようなブラックな業界なため、毎日終電近くまで帰れない、ということがまだまだあり得ます。

フリーランスに比べてステータスが低く見られることがある

フリーランスのフォトグラファーは「才能と腕でメシを食っている」というイメージがある反面、社カメの場合はどうしても「会社にいけばお金がもらえる」という風に見られがちなので、「スキル&スペックが低い」と見られるときがあります。
「あの人、社カメだから」=低ステータスという感じですね。
(あくまで一般論です。僕が知っている某広告制作会社の社カメは、みなさんハイレベルなスキルを持っています)

私って「社カメに向いてる?」自分に合った道を探そう

今回は、「社員カメラマン(社カメ)」について解説してみました。僕も出版社に約4年半勤務し、社員カメ(兼編集)として仕事をしていました。在籍中はたくさんのことを身に付けられたので当時の会社にはすごく感謝しています。「あのときがなかったら、いまの自分はないかな」と思います。
カメラマン(フォトグラファー)を目指す道は人それぞれですので、自分に合う仕事を探してみてください。
これから写真業界に入る、という人の参考になれば幸いです。

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Atsushi

Atsushi

写真家。ときどきディレクター&ブロガー。 ワーホリ渡豪、20代で出版社立ち上げてフリーに。 英会話は日常レベル。都内の自社スタジオに棲息。 ブログでは写真や文章、クリエイティブ全般について語ってます。

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