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フリーランス仕事は大、中、小の規模でバランスよく受けよう【アドバイス】

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フリーランス仕事は大、中、小の規模でバランスよく受けよう【アドバイス】

どーも、あつしです。
本業はフォトグラファーで、案件によってはディレクターなど幅広く活動しています。
独立したのは20代の半ば、その後はずっとフリーランスとしてメシを食っています。
長年の経験で「フリーとして生き抜いていく方法」には「大、中、小」のバランスが大事だということに気づきました。
今回は、僕が学んだ効率のいい仕事の受け方をみなさんにシェアしたいと思います。
なるべく初心者でもわかりやすいようにまとめています。

最初に見ていただきたい記事

今回の内容を読んでいただく前に、ざっと見ていただきたい記事があります。

足、腕、頭を使って稼ぐ【フリーランス生活のギャラをアップする方法】

フリーランスになると最初の何年かは収入が安定せず、大変です。生活を安定させるためには「収入=ギャラ」が必要。クライアントに評価してもらうためには「足→腕→頭」を使って稼ぐことが必要なんだと、あるとき気 ...

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ちなみに、以下で紹介する案件(「大」規模の7ケタ以上を含む)は数えきれないほどこなしています。

もちろん、本文から読んでいただいてもかまいません。忙しい方も多いと思うので、気になったらリンク先も参考にしてください。

「大、中、小」をそれぞれ解説

「足、腕、頭を使って稼ぐ」の方法で動けるようになると、「大、中、小」(または松、竹、梅という呼び方でもかまいません)の3つの規模感で仕事が来るようになります。それぞれのメリット・デメリットも合わせて紹介します。

「大」規模の案件

案件単価の合計が100万円~数百万円(7ケタ)以上のものです。
ライターであれば、刊行物丸々1冊の企画・編集・デザインディレクション、インタビュー、原稿作成などを含む、ディレクターや編集者としての動きが必要になります。
フォトグラファーであれば1000カット以上を1ヶ月以内に撮影&納品という案件です。単価1000円でも、合計100万円になります。また、広告撮影の場合も(高単価&二次使用料という面から)高単価になります。動画は企画から撮影、編集・キャスティングを含めて数本~数十本以上を期間内に納品、という形が多いかと思います。

デメリットは、1人だけで全ての作業を行うのが困難なため、周囲のスタッフとの連携・支払いが発生すること、拘束期間が長期(2~3カ月間以上)になりやすいことです。
案件単価が大きくなるほど、入金が数ヶ月から半年先になる、ということはザラです。その間に支払いを先に済ませることも多いので、資金的な余裕が必要になります。
また、個人事業ではなく、法人化していないと取引が難しいと言われる場合もあります。(最近はそういった区別もだいぶ少ないようですが)

「中」規模の案件

案件単価の合計が10万円から数十万円の案件です。
ライター(または編集者)であれば編集・ディレクションのみ、インタビュー&原稿作成で5~20名程度、原稿作成のみであれば20~50本、のような案件は、比較的多く降ってきます。
フォトグラファーですと合計10万円以上のギャラはそれほど珍しくありません。いまだにクリエイターの中では比較的、高単価な職種です。いくつか理由はありますが、ギャラに機材費&編集(写真選定&レタッチ)のための拘束時間を含むため、相対的に費用感が高くなります。また、動画制作の場合は編集まで担当すると、数十万円の単価になります。
拘束期間は案件にもよりますが、長くて1~2カ月程度が目安です。
そのほかのデメリットは「大」規模の案件と同じで、ひとりでは完結が難しくなってくる(経費の支払いが発生する)ことや、支払いが数カ月先になりやすいことです。
規模感がそれなりに大きいので、全部をひとりでやろうとすると納期遅れなどにつながり、結果的に信頼を損ねてしまう…ということも起こり得ます。

「小」規模の案件

案件単価の合計が高くても5万円程度まで、という予算の少ない仕事です。
ライターであれば原稿作成の1本単価が数千円のもの、インタビュー+原稿作成で2万円、といったケースです。
フォトグラファーだとWEB媒体で1~1万5千万円、2~3時間から半日程度(1日の場合もあります)で2~5万円というイメージです。費用には撮影だけでなく、写真選定やレタッチも含まれます。
動画の場合は撮影のみ、編集は1日拘束だけ、もしくはテンプレ化してる作業をやっつけるだけ、というものが多いですね。
すぐに終わって責任も少ない(というより気が楽な)反面、デメリットもあります。小規模だけだとほぼその日暮らしになってしまうため、なかなか生活が安定しにくいことです。

でっかい仕事がきた!だからフリーランスとして成功とは限らない

これは、ある程度の経験を持つフリーランスであれば誰もが抱える悩みです。大規模なプロジェクトは、数百万という予算で見た目は派手だし、実績&自信にもつながります。
ただ、2~3カ月丸々拘束された上、デザイナーやフォトグラファーに支払う金額が数十万、結果的には手元に30万しか残らなかった…ということは割とあり得ます。
1カ月あたりの利益で計算してみると、スズメの涙…になってしまいます(泣)。

一番痛いのは、その期間に他のレギュラー案件を断らないといけなかったり、新規の営業ができなくなったりしてしまうことです。
どっぷりひとつのプロジェクトに関わっていて「やった~、終わった!!」という達成感にひたるのもつかの間。
嵐がすぎさってしまうと、仕事がまったくない…。生活やばい、どうしよう。
みなさん、少なからず経験していることだと思います。

「大、中、小」をバランスよく回す

言うのは簡単ですが、それぞれの規模感の仕事をバランスよく回していくことが大切です。

頭ではわかっているけど、目の前に100万円以上の案件(ニンジン)が降ってきたら、飛びついてしまうのがフリーランスとしての性……。

また「大、中、小」といった規模感に限らず、中には極悪なまでにギャラ安でなおかつ使い捨て、みたいなブラック案件もあるので注意が必要です。
そのような会社とお付き合いしていても、おそらく時間のムダなので。

とはいえ、もちろん利益だけでなく、「大きな仕事をやってみたい」という探究心や、指名してくださったクライアントの「期待に応えたい」という気持ちもあるでしょう。
ぜひ、これはやらなきゃ!というときはチャレンジしてください。
大きな案件ほど、学びや成長が得られる機会は多いです。

逆に「でかい仕事がしたい」ということにこだわりすぎると、いざ景気が悪くなったり、予定していた案件が飛んでしまったりしたときに、経済的な不安を抱えることにもなりかねません。

「小さな案件だから」「ギャラ安いし」という仕事でも普段からお付き合いしていくと、数年後に「あのときに助けてくれたから」と、大きな仕事につながる可能性だってあります。
個人的には、相場の費用感程度か、もしくは多少安くてもいろんな事情があって、お世話になっている方からのお仕事はギャラにこだわらず、受けさせていただくようにしています。

最後に

今回は、「大、中、小」規模のお仕事について解説しました。
フリーランスで仕事を始めると、同じ日程で仕事の依頼が重なってしまうことや、大きな案件が終わって仕事がなくなる、ということはよくあります。
そんなときに、いろんなチャンネルで案件を拾えるようにしておくといいですよ。

(クリエイター派遣)や(クラウドサービス)のようなサイトに、登録だけしておくのも賢い方法です。

また、目先の利益や「ひとりでやること」にこだわりすぎず、いざというときに同業種の仲間や、仕事をサポートしてくれるパートナーを増やしておくと、さらに安心です。
(なによりも、信頼できるチームが一番大切)
フリーランスとして、みなさんの活動がどんどん楽しく広がっていくことをお祈りしています!

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Atsushi Yamada

Atsushi Yamada

写真家。ときどきディレクターもやってます。 ワーホリ渡豪、20代で出版社立ち上げてフリーに。 英会話は日常会話レベル。都内の自社スタジオに棲息。 ブログでは写真や文章、クリエイティブ全般について語ってます。

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