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【初めての三脚】どうやって選ぶの?プロがおすすめを解説

2020年8月21日

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【初めての三脚】どうやって選ぶの?プロがおすすめを解説

2020年8月21日

写真撮影に慣れてきて「三脚を購入したい」と思っても、どれを選べばいいかは難しい問題です。今回は「仕事の撮影で使える」をテーマに、三脚の選び方をプロフォトグラファーの目線からアドバイスします。
初心者の方にも参考になるように、できるだけわかりやすく説明します。選び方だけでなく、おすすめの機種もいくつか紹介します。

この記事のおもな対象

初めて三脚を買おうと迷っている方。インスタや個人旅行、スナップなど、趣味で写真を楽しんでいて、一眼レフには少し詳しいという方を対象にまとめています。もちろん、これからデジタル一眼レフを買おうと悩んでる方にも、読んでいただきたいです。

そもそも三脚って必要なの?

いきなり悩みますよね。。「三脚っていらねーだろ?」と。
ただ、「撮影の仕事をしていきたい」「ブログ+写真の仕事をしてみたい」「ネットショップで商品を売るために撮影したい」という人には、おそらく必須となる道具のひとつです。
逆に、趣味としてライトに写真を楽しみたい人は、それほど必要ないかもしれません。
(もちろん、あった方がいい写真を撮れます)

三脚でできること

三脚があると可能になることはいろいろあります。代表的なものをいくつか挙げます。

暗い場所でも写真を撮れる

暗い場所ではブレやすいですが、三脚にカメラを固定することで、ブレない写真が撮れます。また、三脚を使うことによって暗い場所でもISO感度を低く設定することができ、ノイズの少ないきれいな写真が撮れます。
また、店舗の中などは思った以上に暗くて写真が撮れないということは結構あります。そのようなときにも、三脚があると便利です。

水平・垂直をしっかりとキープできる

お店の外観を撮るとき、風景を撮るときに水平垂直を保てます。
手持ちだと、カメラをまっすぐ構えているようでもじつはナナメになっている…ということが多いです。シビアなクオリティが求められるときは、三脚を使用しましょう。

「商品撮影」時にカメラの位置を固定できる

シビアな商品撮影のときには、カメラ位置を固定していた方が便利です。カメラを固定した状態でストロボ光の向きを変える、商品の向きを少しだけ変える、表面のゴミを取るといった微調整が可能になります。
三脚がないと撮るたびに何度もやり直し、という可能性があります。

特殊な写真が撮れる

スローシャッターでクルマのテールライトを流れるように写し込んだり、滝をミストのように見せて見せたり、写真にしかできない幻想的な表現が可能になります。

動画を撮るときにも必要

「動画を撮影したい」というときにも、三脚があった方がさらにいい絵が撮れます。三脚がないと画面がぐわんぐわんと手ブレしてしまって、酔いそうになります(笑)。YouTubeの撮影でもよく使われているので、おなじみですよね。

三脚選びのポイント

ここから本題です。重要なポイントを絞って解説します。

・カメラとレンズの合計よりも重い三脚を選ぶ
「三脚選び」の際にもっとも重要なポイントです。基本的に、上に載る機材(カメラ+レンズ)よりも重いものを選びましょう。
一般的な一眼レフカメラとズームレンズの重さをまとめました。

キヤノン EOS 5D MkIV
ニコン D780

だいたい2kg程度ですね。望遠ズームレンズだとさらに重くなる可能性がありますので、事前に重さを調べてください。

安定性

三脚のパイプが細すぎると不安定になります。パイプ径は中型(一眼レフ用・約26mm~)以上のものを選びましょう。

機動性

あまりに重すぎると、持っていくだけで疲れます。。屋外や外部のスタジオで撮影することが多い場合は、なるべくコンパクトで持ち運びしやすいものがおすすめです。
自分のスタジオにずっと置いておく…みたいな人は重くても大丈夫です。

高さ

三脚を伸ばしたときに、あまりに低いと買っても使えません。最大に伸ばしたときに180cm以上のものを選びましょう。

価格(予算)

高ければ高いほどいい商品が買えますが、上を見るとキリがありません。最初は2~3万円ぐらいの三脚で十分です。まず予算を決めましょう。

三脚の種類
全部細かく紹介するとかなりの知識が必要なので、かいつまんで説明します。「初めて三脚を買う」場合に気をつけるポイントです。

「雲台」と「脚」が別々のタイプか「一体型」か

「雲台」というのは、三本足の上のカメラを止めるパーツのことです。上下左右に動かすことができます。「雲台」と「脚」が別々の方が長い目で見ると、いろんな使い方ができるので便利なのですが、値段が高くなりがちなんですよね。なので、最初は「一体型」をおすすめします。
まずは三脚の使い方に慣れてから、数年後にもっといいものを買いましょう。

雲台の形は「3Way雲台」を選ぶ

写真用の三脚は、レバーがついていて縦横に回転できる「3Way雲台」と、ネジで動かせる「自由雲台」の2種類にわけられます。
仕事の撮影で便利なのは「3Way雲台」です。

素材(重さ)

三脚の金属部分は大きく分けると「アルミ製」「カーボン製」の2種類があります。カーボン製の方がアルミ製に比べると圧倒的に「軽い」です。
そのぶん、アルミ製よりカーボン製の方が割高になるのですが、ここは多少奮発してもカーボン製を選びましょう。
特に女性の場合、重いと持ち運ぶだけで相当なストレスになります。できるだけ軽いものを選びましょう。

段数

おもに3段式と4段式のものがあります。
段数が多いほど、コンパクトに折りたためますが、僕のおすすめは3段です。
4段だと急いで三脚を上げ下げするときに、手間がかかるんですよね。。
ただし、海外旅行に持っていきたい!という人は「折りたたんで60cm以下」のものを選んだ方がよいかもです。
好みもあるので、触ってみて好きな方を選んでください。

留め具が「ナット式」か「レバー式」か

ナット式(ナットロック式)はリングを回して脚部を閉めるタイプで、操作性はレバー式よりも上です。壊れにくいと言われているようですが、実際に長く使っていて壊れたこともあるので、使い方にもよります。
レバー式(レバーロック式)は留め具をパチンと開け閉めして止めるタイプのものです。シンプルで使いやすいですが、形状によっては手を挟んでしまうこともあります。。
基本的にはナット式の方がレバー式よりも高価です。
個人的には、最初に買うのであればレバー式の方がおすすめです。(予算がある人はナット式で)

雲台が「ねじ式」か「クイックシュー式」か

これは意見がわかれますね。「ねじ式」はねじでカメラを直接固定するタイプ、「クイックシュー式」は、カメラの底にパーツを取り付けて着脱をワンタッチでできるようにしたものです。
プロである程度経験がある人はクイックシューを使っている人も多いですが、最初はシンプルなねじ式を選びましょう。(こだわる人はクイックシューでもOK)

水準器

縦横が曲がっていないか、アナログで確認できるのが「水準器」です。試験官みたいな透明のケースに液体が入っていて、中に入っている空気の位置で水平・垂直を判断します。
エントリーモデルには水準器がついていないものが多いのですが、特に気にしなくて大丈夫です。
最近はデジタルカメラ側でも確認できるし、水準器のパーツだけを買えば後付けもできます。

ブランド力

最後はブランド力です。あまり気にしなくて大丈夫なのですが、知識だけ押さえておいてください。
クルマなどと同じで、基本的に国内メーカーの商品の方が安く、海外メーカーの方が高いです。
基本的には国内メーカーの製品であれば問題ないです。また、中国メーカーの安価なものもありますが、耐久性が低くて壊れやすいので、あまりおすすめしません。

「簡単に」と言っておきながら、結局熱が入って長くなってしまいました…。
全部しっかりと読むのは大変だと思うので、整理します。

初めての三脚選びの条件 まとめ:
・「カーボン製」で重さは2kg以上
・パイプ径は中型(一眼レフ用・26mm~)以上
・雲台は脚と「一体型」のもの
・「3Way雲台」
・段数はできれば「3段」(好みによる)
・留め具は「レバー式」でOK
・雲台は「ねじ式」
・「水準器」は特に不要

条件をもとに選んだ三脚はこれ!

リーズナブルでおすすめの三脚をメーカーごとに紹介します。

<商品紹介>
<商品紹介>

今回は「初めての三脚選びで注意したいポイント」について紹介しました。
基本は機動性重視で、いろんな用途に使えるものを選ぶようにしましょう。
三脚の扱い方に慣れてきたら、余裕があるときにいいものを購入すれば大丈夫です。
あまり難しく考えず、少しずつ楽しく使いこなしていってください!

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Atsushi Yamada

Atsushi Yamada

写真家。ときどきディレクターもやってます。 ワーホリ渡豪、20代で出版社立ち上げてフリーに。 英会話は日常会話レベル。都内の自社スタジオに棲息。 ブログでは写真や文章、クリエイティブ全般について語ってます。

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