写真用語

撮影時のスタジオの借り方【初めてのハウススタジオ・白ホリ】

2020年7月2日

  1. HOME >
  2. 写真 >
  3. 写真用語 >

撮影時のスタジオの借り方【初めてのハウススタジオ・白ホリ】

2020年7月2日

ハウススタジオや白ホリゾントのスタジオなど、撮影する場所を借りる際には独特の業界ルールみたいなものがあります。知らないと先方のスタジオから扱いづらい客とされてしまうこともあるので、基本的に「これを押さえた方がいい」というポイントをピックアップしてみました。

スタジオの基本的な借り方

一般的には、ホームページを見て、電話もしくはメールで空き状況の問い合わせを行います。
電話で申し込みができる場合もありますし、申込書の記入(昔はFAXだったがいまはメール主体)やメールでの申し込みが必要な場合があります。
その場合に、下記のようなことを聞かれますので前もって準備しておきましょう。

申し込み時に確認が必要な項目

実際にスタジを借りる際に注意すべき点を、順に見ていきましょう。

日程と利用時間

まずは撮影を希望する日程と利用時間を伝えます。利用時間は、入り時間から完全撤収までの時間です。10分ほど前に入れる場所と、予約時間ちょうどでないと入れない場所があるので事前に確認しておきましょう。
基本的に、利用時間の最後までにすべて片付けを終えておく必要があります。

撮影内容

モデルを使ったファッション撮影やポートレート撮影か、化粧品などの商品撮影か、何かの宣伝のための動画撮影なのかなど、簡単な内容を伝えましょう。
スタジオとしては「アダルトな内容でないかを確認する」という目的もあります。(そういった撮影がOKな場所もありますけど…)

写真(スチール・静止画)なのか、動画(ムービー)か

上の「撮影内容」にも関連しますが、スタジオによっては「写真」と「動画」で費用が異なることがあります。両方撮影する場合は、そのように伝えましょう。「写真をメインにしつつ、動画もひょっとしたら撮るかも…」という場合も同様です。

人数

10人以上など、多人数では費用がアップする場所があります。スタッフと演者(モデルや俳優)の全員を足した人数です。少なく申告してばれると大変です…!正直に伝えましょう。

移動手段

「クルマで来るかどうか」を確認されることがあります。敷地内に駐車場があれば無料で止められますが、スタジオによっては近隣の駐車場(コインパーキング)に止める必要もあります。
また、備え付けの駐車場があっても、同じ敷地内の別の部屋や建物で撮影が行われているときには別チームが使用するために利用できないことがあります。基本的に優先順ですので、使用する際には早めに伝えておきましょう。

予約時の注意点

「キープ」か、「決定」かを伝える

撮影スタジオを押さえるためには「キープ」または「決定」の2種類で意思を伝えます。
「キープ」と伝えると、日程を仮で押さえてくれます。この時点ではまだ費用は発生しません。
ただし、先に「決定」が入ってしまうと「決定」の方が優先されることがあります。
このとき、「キープ入れてたのに!!」と泣きついても残念ながらダメです。。諦めましょう。

とはいえ、丁寧なスタジオは「キープ」を入れると、「決定」の申し込みがほかから入りそうになったときに「先にキープが入っているお客さまに確認します」という対応をしてくれます。
ただ、必ずしもそうしてくれるかどうかはわかりません。あくまでの先方のスタジオ次第です。不安な場合は「ほかから決定が入りそうになったら、連絡をいただけますか?」と事前に伝えましょう。

キープが先に入っていた場合は「第2キープ」「第3キープ」

もし、あなたより先に「キープ」が先に入っていた場合は「第2キープ」を入れます。
この状態では「キープ(第1キープ)」が優先されますが、この「第1キープ」がキャンセルになった場合、あなたに優先権がきます。
この時点で予約を「確定」させることができます。
「第2キープ」まで入っていたら「第3キープ」として予約を入れます。

(なんだか「カイジ」や「賭けグルイ」のルール説明みたいになってきましたね 笑)

いずれにせよ、「第2キープ」「第3キープ」だと予約確定が取れない可能性が高いので、ほかのスタジオも同時に探しておくことをおすすめします。

「確定」は原則キャンセル不可

一度、「確定」の連絡を入れてしまうと、基本的には使用料金が発生します。貸す側としては、確定日はほかの予約を断る必要があり、そのぶん売上を損失してしまうからです。
そのため、双方の利益になるように「キープ」という仕組みがあります。
ただ、スタジオによっては柔軟に対応してくれるところもあるので、こちらも事前に確認した方がよいです。
キャンセル料については「当日100%」「前日 70%」「2-3日前50%」といった規定がありますので、あわせてホームページをチェックしましょう。

ストックフォト(ムービー)撮影は使用不可の場合も

ストックフォトやストックムービー(素材として販売する写真・動画)は使用不可という場所もあります。「せっかく予約したのに撮れない!」ということを避けるため、必ず事前に確認しておきましょう。

レンタルスペースでは異なる申し込み方法も

以上は、一般的なプロ用撮影スタジオ(ハウススタジオ・白ホリゾントスタジオ)の予約方法です。
ただ、最近は安価なレンタルスペースやレンタルスタジオ(パーティやイベントの会場としても使える場所や、カフェの時間貸し)も増えています。
レンタルスペースを集めて検索できるサイトもありますので、知っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

そのような場所では「キープ」といった仕組みがなく、サイト上でいきなり予約(申し込み)をするケースが多いです。クレジットカードで申し込み時に支払い&キャンセル不可、という場所もありますので、こちらもあわせて確認しておくことが必要です。

そのほかに注意すること

物品の破損・紛失に注意

スタジオ内にある物品(雑貨や観葉植物、ストロボ機材)を破損・紛失した場合は、弁償が必要になります。
スタジオスタッフが立ち会っていれば、借りた側の過失でないことが証明できるのですが、場所貸しの場合、スタッフがいない場合も多いです。特に機材関連は高額な修理費が発生するため、万が一のことがないように配慮しましょう。
もとから入っていた床や家具のキズなどはしっかり確認しつつ、問題があればすぐに連絡した方が無難です。

モノを動かしたら「現状復帰」する

家具などを動かした場合は、もとの位置に戻す必要があります。これを「現状復帰」といいます。
僕らの撮影チームは必ず、スマホなどで写真を撮っておき、もとの状態に戻します。多少場所が違っていても怒られることはないかもしれないのですが、使ったものはもとの場所に戻す。マナーですよね。気をつけましょう。

「ゴミは持ち帰り」「飲食禁止」という場所も

撮影時に発生したゴミは持ち帰ってください、というスタジオは多いです。弁当を食べたのはいいけど、クルマもないし持って帰えれないよ…なんてことが起こらないように避けましょう。
また、飲食禁止というところもありますので、これも確認しておいた方がいいです。

なるべくロケハンをした方がベター

事前に中の状況を見れるようでしたら、ロケハン(下見)をしておくことをおすすめします。撮影当日はバタバタしてしまうことが多いです。「イメージと異なる」といったことが起こってパニックにならないよう、細かな不安点は前もって取り除いておきたいです。

最終確認は必ず!

現状復帰して、片付けも済んだら撤収です。このとき、必ず現場の「最終確認」を行います。
なぜかというと、スタッフの人数が多い場合、忘れ物をしてしまうことがあるからです。せっかく撮影がぶじ終わったのに、大変めんどくさいことになります。。
ちなみに、うちのスタジオで撮影がある場合も、忘れ物がけっこう多いです。(終了時に「忘れ物がないように気をつけてください」と確認はしているのですが…)

「スタジオの借り方」のまとめ

今回は、撮影用のスタジオの借り方について、基本的な申し込み方法や注意点を紹介しました。

注意ポイント

・「キープ」と「決定」の違いを覚える
・事前の確認をしっかりと
・撮影当日の注意点にも気をつける

いろんな場所で撮影すると経験値がたまりますし、写真のバリエーションも広がります。
最近は格安のスタジオもあります。よければぜひ、いろんなスタジオのサイトをチェックしてみてくださいね。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
Atsushi Yamada

Atsushi Yamada

写真家。ときどきディレクターもやってます。 ワーホリ渡豪、20代で出版社立ち上げてフリーに。 英会話は日常会話レベル。都内の自社スタジオに棲息。 ブログでは写真や文章、クリエイティブ全般について語ってます。

よく読まれている人気記事

1

写真を撮ってメシを食う人のことをかつては「カメラマン」と呼んでいましたが、最近は「写真家」や「フォトグラファー」という呼び方も増えています。 正直どう違うの?という方のために、フォトグラファーという呼 ...

2

雑誌やムック、カタログなどの本をつくるためには、テーマやコーナー企画の立案以外にも、さまざまな準備が必要です。中でも、重要な設計図となるのが「台割(台割り・だいわり)」と呼ばれるもの。 今回は、紙媒体 ...

3

フリーランスとして生きていく上で「専門分野を極めるべき」あるいは「複数のスキルを持った方がいい」という両方の意見があります。はたしてどちらが正しいのでしょうか?実体験を交えながら、意見を述べてみたいと ...

4

みなさんは「パーマセル」って聞いたことありますか? プロの撮影現場ではほとんどの人が持っている、とても身近な道具なのですが一般的にはほとんど知られていません。 ちょっと高いけど、ものすごく便利なので一 ...

-写真用語

© 2024 Atsushi Photolog Powered by AFFINGER5