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個人情報はどこまで教えるべき?【電話番号・住所…フリーランスの悩み】

2020年7月16日

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個人情報はどこまで教えるべき?【電話番号・住所…フリーランスの悩み】

2020年7月16日

フリーランスで仕事をする上で、悩んでしまうのが「個人情報」の開示についてです。会社員だと電話番号や自宅の住所などを教える必要はありませんが、フリーランスだとどこまで教えればいいのでしょうか。年間で数十名のライターさん、デザイナーさんとお仕事をしているディレクターの立場から、フリーランスの個人情報についてまとめてみます。

雑誌の編集部からキャリアをスタートして、おもにフォトグラファーとして活動。ちょっと変わったキャリアを生かして、ときどきコンテンツのディレクションも担当しています。
担当範囲はWEBから紙までかなり幅広いですが、年間数十人のライターさんやデザイナーさんに仕事をお願いする「発注者」としての立場でも仕事をしています。
今回の記事は、僕自身の経験から考える、あくまでも個人の意見です。すべての方に当てはまるかどうかはわかりませんので、一歩引いた目で参考にしてみてください。

昔ながらの王道フリーランスとは?

僕は20年以上、フリーランスとして仕事をしています。その間にライター、デザイナー、フォトグラファー、デザイナーとして多くの才能あるクリエイターと名刺交換をしましたが、ほとんどの方は、名刺に「名前(活動名)、住所、電話番号、メールアドレス」といった情報を記載しています。
フリーとして活動していく上で、先方から郵便物が届く可能性がありますし、電話で直接作業内容の指示や、仕事の依頼が飛び込んでくることだって頻繁にあります。
昔かたぎの僕のようなタイプは、名刺には「個人情報(連絡先)」を載せるのが当然、と考える人が多いのでは?と思います。
名刺は、その人が個人商店として自分を売っていく上での「看板」と同じです。
ある程度、質の高い仕事だと、クライアントも仕事を依頼する上で「その人がどんな人なのか」を見てきます。
おそらく、名刺に「住所や電話番号が書かれていない人」には、仕事を依頼するのを躊躇してしまう…という担当者の方が多いでしょう。
率直に言ってしまうと「どこの馬の骨?」という感じです。
もちろん、取引先登録などの手続き的なものもあるのですが、仕事をしていて困る理由として大きいのは「仕事の途中で飛ばれること」「急ぎの確認ができないこと」です。
仕事を発注する立場としては「突然連絡がつかなくなる」のが一番のリスクです。
フリーランスは一般の会社員に比べて、ただでさえ信用がありません。
名刺にはしっかりと個人情報を載せた方が「プロの〇〇〇として仕事をしている」といったプラス評価につながり、仕事も来やすいです。

個人情報を載せないフリーランスも

歌手やアーティストなど、多くのファンを持つ人たちは、トラブル回避のために名刺を持たないことや、持っていても住所は入れていない、というケースはよくあります。女優やモデルといった仕事も同様です。
また、クリエイター事務所に所属するデザイナーさんなどは、事務所の連絡先を記載している場合がありますね。
ただ、仕事を依頼する際には、「事務所宛にやり取りをする=めんどくさそう」という心理的なハードルになる可能性はあります。

個人情報の記載があまり必要でないケース

インターネットを介して仕事をするWEBライターの場合、住所を記載する必要はないでしょう。というより、そもそも名刺を持っていないという人も多いです。
メールや、チャットワークまたはSlackなどのタスク管理アプリを使って仕事のやり取りを行う場合、互いの電話番号も知らないということは多いです。
ただし、どうしても性質上、「途中で飛んでしまっても差支えがない仕事(原稿料が安価な仕事)」が中心になってしまうため、将来的に活躍の幅を広げたい人は、どこかのタイミングで名刺をつくって個人情報を記載する、ということも必要かなと感じます。

個人情報を載せることによるトラブル

実際に僕のまわりでも「ストーカーまがいのトラブルに巻き込まれた」という人はいます。ふだんから関わっているフリーランスの母数が多すぎるため、実際には何千分の1という確率かもしれませんが、そうした危険性がゼロではありません。
実際に、某自治体が主催している在宅ワークセミナーでは、個人情報について「なるべく記載しない方がいい」と指導しています。自治体が指導する上では、そういった結論になりますよね。
「フリーランスとして生きていく」ためには、万が一を避けるためのリスク管理が必要ですので、気をつけるようにしたいものです。

トラブルを避けるには?

中には「知人の会社に事務所を間借りしている」「住所だけ借りている」というフリーランスもいます。
仕事を通じて仲良くなった人がいる場合などは、相談してみてください。
ただし、本人宛の郵便物は記載先の住所宛に届くため、よほど仲のいいパートナーでないと長期間、お世話になることで迷惑をかけてしまうケースもあります。
そういった場合は「シェアオフィス」や、「郵便物の転送サービス」を利用するといいでしょう。
ちなみに、僕も仲良くなったライターさんの名刺をつくり、うちの事務所の住所を入れて活動してもらう、ということは時々やっています。
ただその場合、ほぼうちの案件100%で内勤の仕事もやってもらっている、というケースがほとんどなので、郵便物が来てもほぼ問題ない感じです。

個人情報を伝えなければいけないケース

フリーランスとして活動していきたいけど「家庭の事情などもあり、個人情報を伝えたくない」という人は多いでしょう。
そのような場合でも、案件によって「守秘義務契約書」や「契約書」を交わす場合には、個人情報の記載が必要となります。
また、確定申告に伴い、「マイナンバー」の連絡が必要になることもあります。あらかじめ、先方と相談するようにしましょう。

今回は、フリーランスとして活動していく上での「個人情報」についてのお話をしました。副業が一般化したことで「どこまで個人情報を相手に教えるか」は、悩ましい問題になっていると言えます。
結局のところ、「どこまで気合を入れて外部の仕事をしていくか」という点に尽きます。今後どのようなスタイルで活動していきたいかによって、しっかりと検討していってください。

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Atsushi Yamada

Atsushi Yamada

写真家。ときどきディレクターもやってます。 ワーホリ渡豪、20代で出版社立ち上げてフリーに。 英会話は日常会話レベル。都内の自社スタジオに棲息。 ブログでは写真や文章、クリエイティブ全般について語ってます。

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