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取材撮影・取材写真で稼ぐ【メディアに欠かせない撮影】

2020年7月28日

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取材撮影・取材写真で稼ぐ【メディアに欠かせない撮影】

2020年7月28日

プロフォトグラファーにとって、よくある仕事のひとつが取材時の写真撮影です。ひとことで取材写真といってもエンタメからビジネスまで幅広い分野があり、写真の使用用途も、雑誌からWEBメディアまでさまざまです。撮影ジャンルとしてメジャーな「取材写真」について、詳しく紹介していきます。

取材写真とは?

文字通り、メディアにおける「取材時に撮影する写真」のことです。
新聞、雑誌、フリーペーパー、WEBマガジンなど、依頼元のクライアントは多岐に渡ります。
既存の新聞社や出版社以外に、WEB制作会社などから発注される機会もあります。
また、最近ではメーカーが自社ブランドや商品の宣伝を行うために、オウンドメディア(自社で運営するメディア)を立ち上げる機会が増えており、そうしたメディアからの依頼も増えています。
もちろん、写真が一切掲載されていない記事は写真付きの記事と同様に一般的ですが、オンラインメディア全盛期の現在、目を惹くビジュアルはいままで以上に求められるようになっています。

なぜ取材写真が必要?

記事を掲載するためには、情報をより魅力的に伝えるための「写真」が重要視されるからです。
すでに撮影済みのイメージや、素材写真(ストックフォト)、広報用に支給されるオフィシャル写真のほか、インスタグラムなどから引用して記事を作成することも多いとはいえ、ニュース記事などの速報性が高い分野や、素材写真が使用できない記事(インタビューなど)は特に撮影が必要になるケースが多いです。

取材写真の種類

取材写真にはいろいろな種類があります。いくつか例を挙げてみます。

・エンタメ系
映画・イベント取材
記者会見、囲み取材
メディア向け発表会
俳優・女優のインタビュー
ストリートスナップ(おしゃれスナップ)
飲食店取材(料理撮影)

・ビジネス系
WEBサイト
(コーポレートサイト、ブランドサイト、採用サイト)
会社案内、商品カタログ
社員インタビュー
事業紹介
社員紹介
スタッフ全員の記念撮影
オフィスの風景(内観、外観)
店舗撮影

・オウンドメディア
インタビュー
商品使用時の撮影
取材時のイメージカット
展示会取材

取材写真の特徴

・拘束時間が短め
インタビュー取材など、短いものでは1時間程度で終わるものが多いです。展示会のようなイベント取材では半日、丸一日拘束といったケースもあります。
また、実際の拘束時間が短くても、待機時間が長い場合もあります。

・急な依頼が多い
「急にあさって取材が入ってしまったんですけど、16時から空いてますか?」という風に、担当から携帯電話に直接依頼がくることがあります。スケジュールが空いている際にはスポット的に受けられることもあります。

取材写真を撮影する際の注意点

・場数が必要
「取材写真の種類」でも書きましたが、インタビューや製品発表会など、とにかくいろいろな状況が想定されるため、撮影経験が豊富な方が望ましいです。
できればプロフォトグラファーのアシスタントに付きつつ、少し撮らせてもらって教わるのが一番です。

・柔軟な対応が求められる
取材現場では「〇〇〇が撮れますか?」と急に相談されることがよくあります。
そのたびに「事前に聞いていないからできません」とは言えません。
もちろん、「1時間の撮影予定が5時間になったが報酬金額はそのまま」「写真の撮影と聞いていたが、ほぼがっつり動画撮影だった」というような、明らかな無茶振りに応えることはありません。ですが、相手の要望にすぐ応えられるのもプロの技術です。なるべく柔軟に対応するようにしたいものです。

・機材の準備が必要
上の項目で説明した通り、「当初、撮影予定ではなかったものを撮る」ということは時々あります。クライアントとの関係にもよるのですが、事前に必要な機材を確認した上で「ひょっとしたら、建物内が暗いかもしれないのでストロボを持って行こう」という風に、万が一を想定した機材編成を行うようにしましょう。

・クルマがあった方が有利
取材は電車移動だけとは限りません。遠方の取材には、車の運転が必要です。仮に近場だったとしても、「重い機材を抱えて通勤時間の満員電車に乗る」というのはかなりの重労働です。
できるだけスムーズな移動を心がけ、撮影に集中できるようにしたいです。

・続けて断ると連絡が来なくなることも
取材撮影は急な案件依頼が多いため、タイミングが悪く他の撮影と重なってしまうことがあります。何度か続けて断っているうちに、依頼する側としては「いつも忙しい人なのかな」「今回も断られるかもしれないから、別の人に相談してみよう」という風に、声をかけにくくなってしまいます。
案件を断った際には、「また声をかけてください」という風にフォローを入れておくことをおすすめします。

取材撮影のフォトグラファーになるには?

まず、ある程度の撮影スキルを身につけて、取材撮影に必要な機材を揃える必要があります。
最近ではオウンドメディアやWEBメディアの取材案件が増えているため、そういったメディアサイトで「カメラマン募集」「フォトグラファー募集」といった情報が出ていないか、確認してみましょう。
求められるクオリティは仕事の内容によってさまざまです。一般的に1回あたりのギャランティ(報酬)に比例するので、腕に自信がない人は、安くてもいいから実績を積める案件を探して徐々にステップアップする、という方法もあります。
また、出版社や新聞社、制作会社の社員カメラマン(社カメ)っとして実績を積んでから独立する、という道も王道です。
実際、取材に行くとライターさんが小さいカメラで撮っていて拍子抜けすることも多いですが、プロのフォトグラファーとして赴くからには、一眼レフカメラでしっかりとした写真を撮りましょう。

取材撮影のフォトグラファーは稼げる?

取材撮影は、他分野の撮影に比べてしまうと報酬が安価です。場合によっては1本数千円という案件もありますが、それなりに名の通った媒体であれば、1本あたり1万5千円程度の撮影費が相場になります。大手メディアや広告関連の案件だと2~3万円以上になることもあります。報酬額が上がるほど高い技術とクオリティを求められます。
取材写真を専門に稼いでいくためには、フットワークの軽さを生かして件数をこなす、というやり方が考えられます。また、実績を積み、人脈を広げていくうちにより高単価な仕事が目指すという方法もあります。
取材写真の撮影をきっかけに、より大きな規模感の撮影を依頼されることは少なくありません。
「柔軟に対応できる」「インタビュー撮影が得意」といった自分なりの強みをアピールすることで、つぎにつながります。

今回は、取材撮影・取材写真についての詳細でした。駆け出しでもチャレンジできるのが魅力です。
ただ、長く続けていくためにはそれなりの作戦も必要になってきます。フットワークの軽さで勝負するのもいいでしょう。自分にあった撮影スタイルを目指してください。

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Atsushi Yamada

Atsushi Yamada

写真家。ときどきディレクターもやってます。 ワーホリ渡豪、20代で出版社立ち上げてフリーに。 英会話は日常会話レベル。都内の自社スタジオに棲息。 ブログでは写真や文章、クリエイティブ全般について語ってます。

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